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『スターリングエンジン』模型キット
当キットはJAXA(宇宙航空研究開発機構)の研究成果を基に作成しています。
『空き缶スターリングエンジン』模型キット
当キットはJAXA(宇宙航空研究開発機構)の研究成果を基に作成しています。

スターリングエンジンとは・・・
中山秀太郎
名誉教授

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スターリングエンジンとは

プロフィール
中山 秀太郎
 (なかやま ひでたろう)

1915年 岩手県盛岡市に生まれる。
横浜市で小、中学校を終え、旧制第二高等学校卒。
1940年 東京大学工学部機械工学科卒。専攻、機械工学、技術史
1962年 工学博士の学位を授与さる。
1965年 東京大学教授
上智大学教授
  上智大学名誉教授

2005年12月9日ご逝去されました。
謹んで. ご冥福をお祈り申し上げます。


機械工学のルーツを訪ねてイギリスに渡り、ワットの故郷クラスゴーで蒸気機関発明の背景などを調べたりする趣味をもっている。機械技術全般についての歴史に興味があり、とくにルネサンス期、産業革命期の技術に関心が深い。
 主著に「材料力学」(オーム社)、「材料力学の基礎」(訳)(アグネ)、「オート メーション」(岩波新書)、「機械入門」(筑摩書房)、「技術史入門」、「車と文明」(訳)、<機械の再発見>ボールペンから永久機関まで(講談社 ブルーバックス)


スターリングエンジン

 動力用エンジンとして、現在広く使用されているのは 自動車、鉄道車輛牽引用、船舶などの内燃機関である。
 最近、その内燃機関の排気ガスによる大気汚染が問題となり、有害ガスの排出量の少ないエンジンの研究が盛んになってきた。
 内燃機関というのは、シリンダーの内部で燃料を燃焼させるものである。これに対して、シリンダー内ではなく外で燃焼させる”外燃機関”というのがある。もっともよく知られている外燃機関は、蒸気機関であろう。
 その外燃機関の一つに、”スターリングエンジン”というのがある。このエンジンは、燃料は何でもよいこと、シリンダーの外で燃焼させるので、そのコントロールが容易であることなどの理由で最近各方面で注目されだしている。燃料は灯油、液化天然ガス、液体水素などはもちろんのこと、マキ、ワラ、燃えるゴミでもいいし、太陽熱でもいいのである。

 スターリングエンジンの発明者は、スコットランドのロバート・スターリングという人で、1816年のことであった。現在、広く使用されている内燃機関は、1870年以降の発明であるから、スターリングエンジンは、それよりもずっと古いことになる。一時は、スターリングエンジンも、ポンプ駆動用として、あるいはそのほかにも使われたが、1920年以降、その姿を消してしまった。というのは、モーターの普及と、小型軽量の内燃機関に圧倒されてしまったのであった。
 写真<準備中>は、アメリカ製のスターリングエンジンの模型であるが、加熱部をアルコールランプで熱するようになっている。ランプに火をつけて、1、2分後、ピストンを手で動かしてやると、往復運動をはじめ、クランクで回転運動に変えられ、車は回転しはじめる。
 それは、1分間に1000回転程度の速さで動く。このシリンダーの中の気体は空気である。そして、加熱部と冷却部とは隣りあわせで、時が経つにしたがって冷却部も手を触れることのできないほどに熱くなるが、回転は依然として続く。空気の膨張収縮がこのように速く行なわれているのが不思議と思えるほどの回転が得られる。

 シリンダーとピストンからできているこのスターリングエンジンの原理は、シリンダー内に封じこめられた気体を、外から熱し、膨張するときの圧力でピストンを押し動かし、つぎに冷却し、気体が収縮し圧力が減少し、ピストンを引きもどすという方法でピストンを動かすようになっている。

 つぎに、実際のスターリングエンジンの作動を説明しよう。
 この方法は、きわめて巧妙にできている。なのに、ほとんど実用化されていない。
 シリンダーの中に、ピストンが二つ入っている。ピストンAの方は動力を伝えるもので、シリンダー内では機密が保てるようになっている。もう一方のピストンは、シリンダーとの間にすきまがあって、このピストンの動きによって、シリンダー内の気体を加熱部分と冷却部分とに移動させる役目をしている。
※スターリングエンジン原理図は<準備中>
4 シリンダー内冷却部に入った気体は、冷却され圧力が低くなるので、ピストンAはシリンダー内に引きこまれる。  
1 ピストンAが加熱部に近づくと、
2 ピストンBが動き、冷却した気体を加熱部へ移動させる。
3 加熱部に入った気体は、<膨張>して圧力が高くなり、ピストンBのまわりを通ってピストンAを外へ押しやる。
4 ピストンBは、シリンダーの端まで動き、ピストンAとピストンBにはさまれた気体は冷却され<収縮>する。
このようにして、ピストンAは、往復運動をし、動力を伝える働きをする。ピストンBは、ピストンAの動きで得られた回転体に取り付けたエキセントリック(偏心)で動かされるようになっている。
 また、このエンジンは一つのシリンダーの中に、二つのピストンが入っている
ものと、シリンダーが分離されたものなど、その形式はさまざまである。


 排気ガスの問題だけでなく、石油資源、地球温暖化問題も含めて、このスターリングエンジンは将来のエンジンとして重要なものの一つといえよう。



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